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ベルヌーイvsニュートン・2 [├雑談]

ベルヌーイの疑問点

「ベルヌーイvsニュートン・1」で書きましたが、

ベルヌーイの定理でヒコーキは飛んでいるのだとずっと信じてました。

でも、ずっと疑問に感じていることがありました。

ベルヌーイで疑問に感じている点を3つ挙げてみます。

 

①紙ヒコーキ
紙を折って作ったヒコーキの主翼はマッタイラです。翼面上側のふくらみもへったくれもありません。でも飛んでいます。

 

②背面飛行
水平飛行をしているヒコーキは、機体の重さとちょうど同じだけの揚力を発生させていることになります。ベルヌーイ側が主張する通りであれば、ヒコーキは背面になった途端、機体自体の重さに加えて、翼が発生させる同じ力が今度は下向きに働くようになるため、もの凄い勢いで落ちていくはずです。でも実際にはいつまででも背面で飛び続け、飛行を制御することができます(機体強度、燃料系は別として)。

 

③下面のふくらみ
ベルヌーイの定理によれば、翼の上面の気圧が下がるのは、翼の下面より上面の方がふくらんでいるからだと説明されています。ということは、上面と下面のふくらみの差が大きければ、それだけ揚力は大きくなるはずです。

 

ですから素人考えでは、下面が平らな、こんな「かまぼこ型」な方がいいはずです。
(実際、子供向けの説明図などではこういう翼形が使われることが多いです)

 

 

 ところが実際には、大抵下面にもふくらみがあります。これでは上面と下面の差があまり出ません。
(もったいない・・・)オイラはこの下面のふくらみが気になって気になって仕方ありませんでした。
「でも、ヒコーキは通常主翼の中に燃料を入れてるから、たくさんの燃料を入れるために、下面にふくらみをもたせているんだ。うん、仕方ないことなんだ。こういう単純に割り切れないのが大人の世界なんだ」。と自分に言い聞かせてました。
ところが、下面が少々ふくらんでいるだけならまだしも・・・

 

 

 こんな、もう、どっちがふくらんでるんだか分からないような、オイラの神経を逆なでするような翼も結構あるのです。これ、色変えたらエビフライですよ?(違
これで一体どうやって揚力を発生すると??

ややこしい表現になって恐縮ですが、「翼の上面の方が膨らんでいる」場合、上面の方が下面より距離が長くなります。一般にゆっくり飛ぶヒコーキの方が上面が長くなる(ふくらんでいる)傾向にあるのですが、セスナ172の場合、下面と比べて上面の長さは1.5%分しか長くないそうです。これではほとんど差は無いに等しいです。

ニュートン派にとってはこういうことも格好の攻撃材料になります。

 


 

最近になって知ったのですが、

上面と下面でふくらみにそれほど差がなくても、上の絵のように空気の流れに対して迎え角があれば、

上面がふくらんでいるのと同じ効果があり、揚力は発生するのだそうです。

……でもそれって結局ニュートンぽいなぁ。。。

 

 

取り付け角 

ところで突然ですが、 ジャンボの主翼は「取り付け角」が2度になっております。

「取り付け角が2度」とは、胴体に対して翼が上の絵のように2度傾いて取り付けられていることを意味します。

「2度」と聞くとなんだか大した角度ではないように思いますが、これは見てはっきり分かる角度です。

更に、ジャンボは水平飛行中も、数度の迎え角を取って(常に機首を少し持ち上げて)飛んでいます。

そのためギャレーは、常に数度の傾きがあることを計算に入れて設計しているのだそうです。

主翼に2度の取り付け角があり、更に水平飛行中でも機体自体が常に数度の迎え角を取っている。

ということは、水平飛行中の主翼は、気流に対して少なくとも5度くらいの迎え角を取って飛んでいることになります。

これって結局ニュートンなんじゃないでしょうか??

 

続きます


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コメント 8

まさ

こんばんは^^
F1の世界なんかでもココでアタマを痛めてますよね。ウィングを厚くすると逆揚力が得られてコーナーリングスピードが稼げるんだけど、反対に空気抵抗が増してしまうからトップスピードが落ちてしまうっていう矛盾ですね。
以前燃費向上のネタを書いてらっしゃいましたが、こういったわずか数度の取り付け角や飛行中のヘッドアップ角が、いかに効率的に機体を飛ばすかという開発者やパイロットの腕の見せ所でもあるんでしょうね。
by まさ (2006-05-01 23:25) 

chi-hiro

これ考えてたら、夜も眠れなくなって来る。
ひつじが一匹、ひつじが二匹、ひつじが・・・。(笑)
by chi-hiro (2006-05-02 08:24) 

とり

まささん こんばんは。
お聞きしたいのですが、F-1のウイングの角度は固定式なのでしょうか?
可変タイプなら、走行状況によってダウンフォースに強弱をつけてスゴイことになると思うんですけど・・・って、こういうことは誰でも考えますよね。

最近の旅客機はどれも見分けがつきにくいですけど、ファイナルアプローチの時の迎え角には機種ごとに性格が出るようで、そのスジの方たちは、これも機種特定の判断材料にするのだそうです。
多分しまふくろうさんあたりなら可能ではないかと・・・。
コメント&nice! ありがとうございました。
by とり (2006-05-02 21:13) 

とり

ちひろさん
悩ませてしまってゴメンなさい!
そもそもよく分かっていないことを背伸びして書いているのがイカンのです!(笑
この記事の続きを書いてるんですけど、これはちひろさん見ない方がよいかも。
ますますカオスになっていきますから。
オイラの身の程に合った、軽いものも書きますので、よろしければ是非そちらでお付き合いください。
コメント&nice! ありがとうございました。
by とり (2006-05-02 21:22) 

まさ

再びこんばんは^^
F1のウィングは固定式でピット作業時は微調整できたと思いますが、走行中の可動は禁止になっています。それから、高速走行中の強い風圧で平らになったり低速走行中には元に戻って起き上がったりするような柔らかい素材でウィングを作ることも禁止されています。

なるほど、機種ごとに角度が違うんですか・・・余計な知恵がついてしまったから、また空を見上げてる時間が長くなってしまいそ~ですよ^^やだなぁ~、よりによって春だしなぁ~・・・。
by まさ (2006-05-03 00:19) 

とり

まささん おはようございます。
F-1情報ありがとうございました!
走行中は禁止ですか。柔らかい素材・・・なるほどよく考えますねー。

オイラは普段旅客機を見る機会はないに等しいので(水平飛行中の空自機は見えますけど)、まささん、是非機種ごとの違いをつかみ、オイラを一気に抜き去ってヲタの世界に突入してください!はるか後ろから応援してますから!(爆
コメントありがとうございました。
by とり (2006-05-03 05:03) 

セロリー

こんにちは。

お書きのベルヌーイvsニュートンについては、僕も子供のころから
『平たい板でも絶対飛ぶ』と思ってました。

>これって結局ニュートンなんじゃないでしょうか??

確実にそうでしょう。もう結論出てますって。
背面飛行の事実一つでベルヌーイは負け決定じゃないですか。
これがあるのに結論を引っ張るとすれば、もはや宗教論争。
議論もへったくれもありません。

実際ジャンボジェットなどのベルヌーイの効果って、微々たる物だって事は
エンジニアは皆知ってるんですよね?  計算値を知ってるとか。
そりゃそうだ、それ知らずには設計できないもん。

離着陸時に角度をつけるのも、速度が低い分を補うためですよね?
それも角度しだいで揚力は得られるって事を証明してますよ。

飛行機は凧。上手い表現です。
by セロリー (2006-05-08 02:49) 

とり

セロリーさん
いらっしゃいませ~ヽ(*´ヮ`)ノ
今続きを書いているところなんですが、セロリーさん、オイラの考えと多分ほとんど一緒だと思います。
すごく詳しい方とお見受けしました。間違い箇所などありましたら、遠慮なくツッコミを入れてくださいね。
詳しい方からすると、まどろっこしい記事だと思いますが、よろしければまたお越しくださいませ。
コメントありがとうございました。
by とり (2006-05-08 06:21) 

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