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高校生日記・06 [■旅行記]

甘酸っぱくない高校生日記、まだ続きます。 

 

翌朝、6:30頃目が覚めた。

食堂へ行ってみるともう用意ができていたので、誰もいなかったが、勝手によそってワシワシ食べた。

船は相変わらずの大揺れで、非常に食べ難い。

晴れているのに、昨日よりも更に揺れている。 

おかずを盛った皿があっち行ったりこっち行ったりするので、目の前に来た時に食べるのだ。

お茶を入れたコップは危なくて置いておけない。

石垣~与那国間は潮の関係で特に揺れるため、与那国は「渡難(どなん)の島」と呼ばれている。

宇宙での食事なんて全然大したことない(と思う。行ったことないけど)。 

 

昼、操舵室に入れてくれた。

到着は午後4時頃になるらしい。

島に着くまで自動操縦にしているそうだ。

「どうね、酔ったネェ?」 

「酔ってないです」

「この小船で大丈夫なら、世界中どこの海でも大丈夫サ」

操舵室の後方には大きな机があって、お菓子がたくさん置いてあった。

机の引き出しの中にはたくさんの海図が入っていた。

海図にはたくさんの数字が書き込まれていて、これは水深だと教えてくれた。

前の方に伸びている管に笛がついていて、これは下の機関室との連絡用。

 

港に着く2時間位前から、与那国島が見えてきた。

操舵室の窓にだんだん島影が大きく映るのだった。

レーダーを見ると、ハッキリと与那国の芋のような形が映っていた。

おじさんが無線機で港に、「4:40到着」と知らせていた。

島影がだんだん大きくなり、中央に白っぽく小高い丘が見えた。

ナンタ浜の前を通過し、岬を越えて島の西側にある久部良の港に着いた。

 

残念ながら、結局カジキは釣れないのだった。 

鹿児島から那覇までの船はまったく揺れなかったので、陸に上がっても揺れている感じは残らなかったが、

流石に今回は陸に上がってから1週間近く、寝ても起きても ゆーら ゆーら と揺れている感じが抜けなかった。

岸壁に下りると、知らないお兄さんに「よく来たね。さあ家に行こう」と言われた。

お兄さんに促されるまま、初めてジープに乗った。

(この人誰? 誰?) 車中、お兄さんの話に合わせながら必死に思い出そうとするが、全然思い出せない。 

 

ほどなくある民家に到着。

車を降りて、お兄さんの後にくっついて行く。

武装した男たちに取り囲まれて拘束されたらどうしようかと思ったが、

中から見覚えのある親戚のオバーが出て来たので一安心。

お兄さんが作ったというパインをご馳走になり、しばし3人でおしゃべり。

この会話で、このお兄さんに小さい頃大分お世話になったということが判明する。

小心者で、ボーっとしているオイラにはよくあることだった。

港で声を掛けられた時、「あのー、だれですか?」などと口走らなくて本当に良かった。

 

兄さんが「海で泳ぐか?」と言ったので、早速泳ぎに行った。

オバーの家は、「ナンタ浜」というそれはそれはキレイな砂浜のすぐ近くにあり、

家を出て道路を横切れば、そこは砂浜だった。

砂浜で兄さんに小学生の男の子と女の子を紹介された。

(多分)初めて見たが、親戚の子達で、この子達も与那国に遊びに来ていて、同じ家に泊まっているとのことだった。

それから地元の子供たちに混ざって時間を忘れて泳ぎまくり、

そろそろ薄暗くなってきたなぁ、という頃にオバーに「ご飯よ~」と呼ばれた。

時計を見ると、もう8時前!

与那国の夏至の日没は19:45なので要注意だ。

それから約3週間、親戚の子たちと一緒の与那国での生活が始まった。

 

(続く)


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コメント 19

tooshiba

無事に島に着いてよかったです。

>1週間近く、寝ても起きてもゆーら ゆーら と揺れている感じが抜けなかった。
これって、船酔いなのでわ・・・汗

陸海空を制覇しているとりさんも、こんな秘密特訓をしていたとわ。爆
by tooshiba (2008-06-04 10:06) 

赤と青

いいなあ。
わたしも、こんな揺れを体験してみたいです。
by 赤と青 (2008-06-04 15:16) 

masa

そんなに揺れるのですね。
食事も落ち着いて食べられないのはつらそう・・・
船を降りた後もゆらゆらする気持ち、よくわかります。
by masa (2008-06-04 18:01) 

とり

皆様 コメント、nice! ありがとうございます。

■tooshibaさん
んー。確かに船で揺られて三半規管がおかしくなってるんでしょうから、船酔いっちゃ船酔いですかね。でもきぼじわるぐはないです。

■monさん
nice! ありがとうございます。

■xml_xslさん
nice! ありがとうございます。

■hiro78さん
nice! ありがとうございます。

■赤と青さん
冬の日本海航路は、「途中で降りたい方はお申し出ください」と船内アナウンスが入るほど激烈な揺れ方だそうです。是非試してみては如何でしょうか?^^;

■Krauseさん
nice! ありがとうございます。

■飛騨の忍者 ぼぼ影さん
nice! ありがとうございます。

■masaさん
オイラは食い意地張ってるのでオッケーでした。^^;
船乗ると、ゆらゆらが残るんですよね~。
不思議です。

■ぴーすけ君 さん
nice! ありがとうございます。
by とり (2008-06-04 19:36) 

miffy

ゆらゆら感ってそんなに長く続くんですね~
夜遅くまで明るいと時間を忘れて遊んでしまいますよね^^
福岡も6月は7時半くらいまで明るいです。
by miffy (2008-06-04 20:41) 

Qoo

高校一年の時神津島へいったけど
やっぱり島へ降りてから暫くフラフラしてたのを想い出しました
でもきっと、そんなのより強力なんだろうな~(^^)

知らないお兄さんに着いていったらいけませんよ
小さい頃お母さんにそう言われませんでしたか?(^O^)
「あんた誰?」って言わなくて良かったですね
by Qoo (2008-06-04 21:34) 

まめ助の母

やっぱり甘酸っぱくないんですね(笑)
私はすぐ船酔いするので小舟で外海に出たら
酸っぱい経験をすると思います…

陸酔いっていうかあの地面を踏みしめたあとのゆらゆら…
「こっちもか〜〜!」って感じです(__;)

海で8時までっていいなあ〜楽しそう!
しかも3週間!
学生の時しかできないですよね〜
うらやましい〜!です
by まめ助の母 (2008-06-04 22:49) 

コスト

>機関室との連絡用 おおっラピュタっぽいですね
>知らないお兄さん 僕は今でも数年会わないと親戚の顔忘れます。
             ひどい時は中学生の頃好きだった子と高校が違って。20歳の頃に街ですれ違っても気づきませんでした。向こうは気づいたそうで、後で言われました^^;

>ナンタ浜 与那国のナンタ浜ですね、きれいなビーチはメモって忘れません、いつか行きます!
by コスト (2008-06-04 22:55) 

とり

■miffyさん
>ゆらゆら
普通は2~3日で消えるんですけどね。
福岡も流石に日が長いですね。

■Qooさん
>知らないお兄さん
そうですよねー。
あめ玉なしでも付いてっちゃう安いオイラ^^;

■夢空さん
nice! ありがとうございます。

■まめ助の母さん
まめ助の母さんの「甘酸っぱくないかんじの」というフレーズが、オイラ的には大ヒットでした^^
>酸っぱい経験
Σ(゚Д゚;)そっちですか!
三週間も遊びまくるなんて、
こういう経験は学生ならではですね。

■コストさん
>ラピュタっぽい
ネタにしようかと同じこと考えてました^^
管に耳を澄ましても、2人の素敵会話は聞こえませんでしたよ。
>街ですれ違
その時期、急激に変わる人もいますからねー。
>ナンタ浜
今は防波堤作ったりして、大分景観は損なわれてしまいました。
↓こちらでナンタ浜が見れますよ。(sakさんすみません)
ttp://first-contact.blog.so-net.ne.jp/2008-05-11
by とり (2008-06-05 06:33) 

mon

こんにちは
甘酸っぱい話お願いします~[壁]・_・)ノ

by mon (2008-06-05 15:57) 

qin

日本でありながら、異国なんでしょうね。(^^)
船酔いかぁ、きついんですよね。
でも揺れないと船旅はかなり楽しい。
by qin (2008-06-05 18:27) 

ジョルノ飛曹長

ああー ロマンだーー
こんな体験したくても出来ないですよー。
貴重な体験の数々がうらやましいです。
私は青春時代には予科練で陸戦訓練にあけくれていたのでこういった冒険がすごくやってみたかったです。
by ジョルノ飛曹長 (2008-06-05 18:54) 

OILMAN

こんにちは。
今地図で調べたら与那国島って台湾のすぐ隣なんですね。
遠いはずですね。
船乗りさんの、
「この小船で大丈夫なら、世界中どこの海でも大丈夫サ」
という言葉で思い出しましたが、大学の友人に竹富島出身の男がおりまして、
語尾の「~ッサ」
がとても印象的でした。
元気かなあ~。
by OILMAN (2008-06-05 21:02) 

とり

■カンクリさん
nice! ありがとうございます。

■フェイリンさん
nice! ありがとうございます。

■monさん
壁|д・´) !! 甘酸っぱい話デスカ

壁|ω・)  ・・・。

壁])≡ピャッ!! ムリ!!

■qinさん
船旅は大人の旅ですよね~^^

■ジョルノ飛曹長殿
予科練で陸戦訓練ですか・・・。
飛曹長殿の正体って一体??

■OILMANさん おはようございます。
オイラは見たことないですけど、よく晴れた日は台湾が見えるそうですよ。
竹富島のご友人がおられたのですか。
竹富も語尾はサなんですね~。

■こけもも:さん
nice! ありがとうございます。
by とり (2008-06-06 06:46) 

とり

■ハイマンさん
nice! ありがとうございます。

■さちこさん
nice! ありがとうございます。

■いっぷくさん
nice! ありがとうございます。

■picaさん
nice! ありがとうございます。
by とり (2008-06-08 06:44) 

sak

いいなぁ与那国...
いろいろ思い出して行きたくなってます♪
久部良の港...ナンタ浜...懐かしいです。
このオバーがご紹介いただいた民族資料館のオバーでしょうか?
ナンタ浜...民族資料館...前の道路...頭から離れない景色です。
買ってきた「どなん」飲もうかな♪
by sak (2008-06-08 21:23) 

とり

■ひろ茶さん
nice! ありがとうございます。

■sakさん
>資料館のオバー
はい。そうです^^
ちなみにsakさんがご覧になった資料館は、大した距離ではありませんが、移転後のものらしいです。
>「どなん」
アハハ、やっぱり買いましたか。そこに話がいくところがsakさんらしい!
度数60度だと、紫色のキレイな火がつきますよ。
by とり (2008-06-09 06:48) 

アスランマリオ

陸に上がった時のユゥ~ラユゥ~ラ感はなんともいえない・・・飛行機では味わえない感覚だね。

by アスランマリオ (2008-06-12 00:16) 

とり

アスランマリオさん
そうですね~。(o ̄∇ ̄o)

by とり (2008-06-17 06:36) 

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