東北の図書館にて [■ブログ]
山形県某所
先週東北の飛行場を回ってました。
飛行場、関係箇所等、全部で12ヵ所回ったのですが、
そのうち現在でもヒコーキが飛んでるのは、岩手花巻空港たった1ヵ所だけという変態旅行でした。
今回は特にネタになるようなことも少なかったので「旅行記」は書きません。
それから特にタイムリーな話題もないので、アップするのは少し後になります。
多分11月中にはアップできるのではないかと。
東北の飛行場跡地に関してはネット情報が特に少なくて、現地に行って初めて知ることが多かったです。
情報収集には地元の方にお尋ねするという方法があるのですが、
遺構の所在地をお尋ねするならともかくとして、かつてあった滑走路の位置となると、
如何に地元の方とはいえ、まずご存知ありません。
戦後の食糧難のため、占領軍は「不要な飛行場はできるだけ早く開放して開墾させるように」と指示を出したからです。
飛行場を含めて周辺も畑となり、その後住宅地、工業地に姿を変えたケースも多いです。
こうして早々に飛行場の痕跡は消え、戦後の混乱期を経て64年も経過していますから、地元の方でもおおよその場所しかご存じないのは無理からぬことです。
それからごく稀なこととして、「御国のことをよそ者に教えられない」と
ぴしゃりと言われてしまうこともあります(;´Д⊂)
これはお尋ねする側にも問題があるのやもしれませぬ。
ということで地元の図書館での情報収集が基本となり、今回あちこちで図書館を利用しまくりました。
図書館で地元の町史/市史を調べ、関係箇所のコピーを取るのです。
今回は東北で経験した図書館事情についてちょっと書いてみます。
コピーの仕方は図書館によって対応が様々です。
自分で勝手にコピー機を操作させてくれる所もありますが、
多かったのは「複写申請用紙」に記入して司書さん?に取ってもらうという方法でした。
しかも同じ県でもA市はセルフサービス、B市では取ってもらう。とバラバラなので、
図書館に到着するたびそこの流儀を確認する必要がありますのだ。
今回最も厳重だった某県某市立図書館では、
まず市史等の「郷土資料」がガラスケースの中に保管されていて勝手に見ることができません。
本を見るためには、まず「閲覧申請書」に住所氏名電話番号、それに書名、書記号、著者名を書く必要があります。
市史をご覧になった方でしたらご存知でしょうが、「市史」とはそういう本が1冊あるのではなくて、
例えば、「通史編」、「資料編」などに分かれ、しかもそれぞれが何巻にも分割されています。
事前に触れることもできないので、怪しそうなものを「閲覧申請書」にずらずらと全部記入しなければなりません。
申請書を渡し、司書さんから本を受け取り、 お目当ての部分を探したら、
今度はコピーを取ってもらうために「複写申請用紙」に記入しなければなりません。
ここはではコピーできるのは1冊の1ページ(見開きの半ページ)のみ。
しかもコピー必要箇所が5冊分あるとしたら、「複写申請用紙」を5枚書かねばなりません。
住所氏名電話番号、書名、書記号、著者名、複写申請ページ、コピーの目的をひたすらカキカキ…
申請が通ったならば、セルフサービスでコピーできるのですが、
本のコピーには「1冊につき1ページのみ」以外にもいろいろと規則があって、
コピー後に、きちんと様々なルールを守っているか、チェックを受ける必要があります。
これでやっと資料のコピーを手に入れることができました。
なんかいっぱしの事務仕事をし終えた疲労感があります。
しかしまだ終りではありません。
入手したい資料がキレイに「1冊の1ページ」に収まるハズもなく、
残りの部分はせっせと書き写しです。
はー手が痛い。
「コピーできるのは1冊の1ページのみ」というのはこの図書館に限ったことではなく、
少数ながら他の図書館でも同様のところがありました。
「著作権の関係なので(`・ω・´)」と言われれば、「そうなんですか(´・ω・`) 」と黙って従うより他ないのですが、
同じ県の県立図書館ではそういうしばりは無しで、
頼めば1冊から5ページでも10ページでもコピーしてくれ、本当にイロイロでした。
もーなにがなにやら(XДX)
館長の裁量なのかしらん。
ところで今回あちこちの図書館を利用していて、とても嬉しかった出来事がありました。
某県の某図書館を利用したときのことです。
例によって「複写申請書」を提出してコピーを取ってもらったのですが、
コピーしてもらった中に飛行場関連の人物が扱われていて、
「その人物についてお知りになりたいのでしたら、こんな本がありますよ」と
書棚から本を出してくれました。
実はここの地元にあった飛行場のことを調べたいのだと伝えると、「それならこんな本とか、それからこんな本とか」
と、パパッと更に2冊出してくれ、
「その飛行場については確か1年位前の地元紙で扱われていたので、探してきます」
とまで言ってくれました。
パソコンで検索とかではなくて、すべてこのおねーさんの頭の中の情報です。
そして言った通り、1年前の新聞のスクラップと共に、
書庫から「こんなものもありますけど」と関連資料を見せていただきました。
一瞬、鉄子とかソッチ系なのかと思いましたが、そういうわけでもなさそうです。
親切とあまりの見事さにトリハダが立ちました。
…すげぇ、このおねーさんプロだ。
某県の山と田んぼに囲まれた小さな町の小さな古い図書館での出来事でした。