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九州へ行った話 [├雑談]

7月初旬、スターフライヤーの社長からメールをいただきました。

「(オイラのブログの)北九州空港の情報が若干古くなっているようなので、できれば再訪して更新してください」

ということで先週行ってきたのでした。

なぜ一介のヒコーキマ〇アに過ぎないオイラに航空会社の社長からメールが来るかといいますと、

以前ブログにコメントを頂いたのがご縁で自家用機に乗せて下さった方がおられ、

その方が今年6月の経営陣交代でスターフライヤーの新社長に就任したのでした。



九州にお邪魔する日程をお伝えしたところ、

自社便に安く乗れるよう取り計らって下さったり、レンタカーの手配までしていただきました。

そのレンタカーも、最初はA社で。ということだったのが、

「今B社でキャンペーンしていてお得だから」ということでB社で手配していただきました。

航空会社社長にレンタカーの手配をしてもらうオイラ…(o ̄∇ ̄o)

「北九州空港から小倉の本社まで、ナビだと高速に誘導されるけど、下道で十分だから」とか、

「本社近くのチャチャタウンで100円でも買い物すれば3時間まで無料だから」とか、

「空港の東横インは3,300円で夕食カレーも付いててお得」など、

何から何までお世話になったのでした。

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約束の時間になり、本社の入っているビルへ。

名刺交換したのですが、オイラはブログ用のオモチャ名刺しか持って来てませんでした…^^;

頂いた名刺は、日本語表記の面が白地、英語表記の面が黒地でした。

真っ先に「座席どの位埋まってた?」と尋ねられ、

「8割位だったと思います」と答えると、

「8割か…。いつもその位埋まっててくれればなぁ」と仰っていました。

取締役会議と決算発表の間の非常にお忙しい中、30分程いろいろお聞きすることができました。

スターフライヤーの1日は、北九州発羽田行きの5:30出発便で始まり、

羽田発北九州行き25:00到着の最終便で終わります。

どの航空会社より早く飛び始め、どの航空会社より遅くまで飛んでいるのだそうです。

現在保有している4機のA320で、羽田~関西8便、羽田~北九州22便を運航しており、

1機平均7.5便を担当。

更に深夜の時間帯にチャーター便の運航もしており、

徹底的に稼働効率を上げて収益性を高めているのだそうです。

将来的には保有機を8機まで増やす計画だそうです。

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「スターフライヤー」といえば、異色のボディーカラーが強烈な印象を与えますが、

「黒は熱を吸収する」ということで、機体カラーとしては不向きとされていました。

ところが実際に検証してみたところ、結果は「問題なし」と出たのだそうです。

スターフライヤーで使用しているのは全てブランニューの機体。

これは新興航空会社としては初のことなのだそうです。

また、垂直尾翼は左側が黒、右側が白。

左右非対称のカラーリングも珍しいですよね。



機内も白と黒で統一されており、高級感溢れ非常に上品なイメージです。

シートピッチはエコノミーとしては世界最大の36~37インチ(91~94センチ)で、余裕で足が組めます。

このため、A320の標準座席数は170なのですが、スターフライヤーでは144席となっています。

シートは本革張り、リクライニングの角度も非常に深くすることができ、ヘッドレスト、フットレスト付き。

非常に快適です。

 

座席は3-3の6アブレストになっており、センターシートが若干広くなっています。

また、「広々と座りたい」という乗客のために半額でもう1つ座席を買い取ることが可能。

更に、センターシートの背当て部分を前に倒すと、「カクテルテーブル」になります。

全席AC電源がついていて、パソコン作業、携帯の充電等自由に使用することができます。す、すごい!

全席パーソナルモニター付き。

オイラはずっとマップ画面にしてました。

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全席に装備されているパーソナルモニター。

画面の左右にはコートフック、ドリンクホルダーがついています。

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フットレスト(凸凹していて足裏マッサージ効果があるそうです)

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中央席の背もたれを前に倒すと出現する「カクテルテーブル」

(隣席の方の視線がイタくてこんな写真になってしまいました)(;´Д⊂) 

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搭乗の際、入口のところでイヤホンを手渡されます。

8chがすごく雰囲気が良くて、往復ともずっとこれを聞いてました。

帰ってから調べたら、岩代太郎氏がスターフライヤーの為に書き下ろしたオリジナル曲「STAR ON THE HORIZON」 でした。

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カマンベールチーズとオニオンのスープ

コクがあって美味しかったです

ドリンクサービスも力を入れており、11月限定復活のコーンポタージュは非常に好評だったのだそうです。

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タリーズコーヒー(オリジナルブレンド)。

ビターな大人のチョコ カレ・ド・ショコラ(森永製)付き。

スターフライヤーの羽田便の平均搭乗率は74%で、これは競合他社をかなり上回っているのだそうです。

設備、快適性でこれだけの差別化をしてますから、これは当然の結果と言えるでしょう。

ところが社長曰く、「一人勝ちはあまり好ましい状態ではない」のだそうで、

全体として盛り上がっていくのが良いのだそうです。

ANAとの結びつきが強いイメージのあるスターフライヤーですが、

「新興航空会社でこれほど独立している航空会社はない」のだそうで、

実際、社員は元JAL,JASの出身者が多く、航空会社の出身でないのは総務と社長位なのだそうです。



オイラが最も気になっていた、社長就任のいきさつについてもお聞きすることができました。

スターフライヤー経営陣交代が決定された今年3月の時点で、

ご自身としては新たに何かをするつもりはまったくなかったのだそうです。

スターフライヤーから「非常勤の取締になって欲しい」と要請があったのですが、

まったくその気はなく、断りました。

また、新社長を誰か推薦して欲しいという依頼があり、

「地元の人間がよいだろう」ということで、3人推薦(後に更にもう1人)したのですが、

この話はまとまりませんでした。

新経営陣発表は6月の株主総会で行うことになっているというのに、まったく決まらないまま時間だけが過ぎていき、

今度は「非常勤ではなく、常勤の取締になって欲しい」という要請がありましたが、

東京生まれ東京育ちの社長に九州に移る気はまったくなく、これも断ったのだそうです。

その後今度は社長就任の要請がありました。

5月の連休が明けているのに人事が決まらないという状況で、

「それではひとまず私が」ということで引き受けたのだそうです。



「東京のファンド会社の人間が社長になる」ということで、地元紙には、

「乗っ取られる」とか、「本社を東京に持って行かれる」などと書かれたのですが、

社長就任の経緯から明らかな通り、これらはまったくのデタラメ。

社長就任時、不明な契約が幾つもあり、「本当に必要な契約なら向こうから言ってくるだろう」

と考えて、「経費削減」名目ですべて切ったところ、言ってきたのは1社のみ。

これで数千万も浮いたのだそうです。

その後経営は徐々に改善していき、2002年の会社設立以来、初めて4億の黒字を計上できたのだそうです。

「社長就任からほんの僅かで黒字化するなんて凄いですね」と言ったのですが、

「いやいや、前の人たちの苦労の上に成り立ったいるのだから」と仰っていました。



オイラが社長の自家用機に乗せて頂いたのは数年前のことで、その後何度もお誘い頂いていたのですが、

友人ご家族とビックリするほどの頻度でアチコチ飛び回っておられてました。

てっきり社長就任後はもう自ら操縦桿を握る暇はないのだろうと思っていたのですが、

「この前飛行機を持って来て、友人と九州を一周した」のだそうです。

九州の主要空港にはそれぞれ15~20分程度のフライトで着けるのだそうで、

「熊本で友人とお茶飲んで来た」のだとか。

相変わらずスゴイです(@Д@)

最後に「写真を撮らせてください」とお願いしたら、わざわざ別室から自社機モデルを持って来て下さいました。

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Σ(゚Д゚;) つい、いつものクセでヒコーキにピントが! やり直し!

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スターフライヤー 代表取締役社長 米原愼一氏

 

社長就任からまだ4か月足らずなのですが、会話の端々に会社に対する愛着が感じられました。

(こんなにヒコーキ大好きな航空会社の社長って他におられるのだろうか)などと考えながら本社を後にしました。


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