成増陸軍飛行場の掩体壕 [├場所]
前記事の続きです。
成増飛行場の掩体壕が1基残っていることはネット情報に出ており、
一度見てみたいなぁ。と思っていました。
ただし、所有者の方が撮影、訪問を望んでおられないということで、
ネットではおおまかな場所は出ているのですが、詳しい住所等は不明です。
流石にネットにアップする方は皆さん所有者の意思を尊重しておられるようです。
今回光が丘公園をうろついた際、掩体壕を探してみることにしました。
まずは園内の図書館で情報収集。
郷土資料の中に当時の成増飛行場の掩体壕についての記述がありました。
成増飛行場には、上空から発見されないようカモフラージュしたコンクリート製、有蓋の「特装掩体壕」が25基、
そして土壁で囲っただけで無蓋の「土塁掩体壕」が12基あったのだそうです。
現存する掩体壕がある辺りは「北部掩体壕群」といい、
当時は「特装掩体壕」3基、「土塁掩体壕」4基があったそうです。
当時の掩体壕配置図と現在の地図を穴が開くほど見比べてアタリをつけ、出発。
現場周辺についておおよそこの辺りだろうと思われる所を歩きました。
カメラは車にしまって手ぶら。
ブロックを順番に囲んでいきます。
オイラは仕事柄、住所情報でお客さんの家を探すことが時々あるのですが、
住所や地図が不完全だったり区画整理されていないと、一軒一軒しらみつぶしです。
なんだか普段やってることと変わりないような…。
仕事だと目当てのお宅がなかなか見つからない場合、手当たり次第に家を訪ねて
「○○さんというお宅はこの近くでしょうか?」などと尋ねるという最終手段があるのですが、
今回に限っては所有者ご本人が公開しておられないので、この最終手段は使えません。
自力で探すしかないのですが、見つかるかどうかまったくわかりません。
(見つけられずに引き返すことになるかも…)などということも考えながら歩き回り…
探し始めて17分、見つけました。
ほんの1,2秒で視界から消えてしまいそうな細い路地の奥に、灰色の開口部が!
たまたま反対側を向いてたら気が付かずにそのまま通り過ぎてました。
住居人以外通るはずのない細い路地を進むと、門扉にぶつかります。
その門扉のところから10秒程拝見させて頂きました。
掩体壕の開口部は路地に正対しているのではなく、かなり斜めになっています。
ここは陸軍の飛行場ですから当然といえば当然なのでしょうが、
開口部は細工をしておらず、そのままかまぼこ型の陸軍型。
内部は物置になっています。
掩体壕を物置にすること自体はよくある活用法ですが、なんと、ここの掩体壕は上に住居が造られていました。
鉄骨の柱で補強もしてあります。
余談ですが高知空港近くの前浜掩体壕群には7基の掩体壕が残っていて、
その中の7号基は車道と用水路が通っているというビックリ掩体でしたが、こちらもスゴイです。
いろんな掩体壕があるものなんですね~。
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